02

前回までのあらすじ
転入初日に学級委員(女子)の着替えを目撃してしまった!!!

「嫌あああああああああっ!!!///」
「ごめんないいいいいいっ////」

バタンッ!!
勢い良くドアを閉める。俺は慌てて寮の管理人•ラブラドールの下に走った。
ラブラドールは微笑んでいる。

「ごめんね、テイト君。ここ、女の子ばっかだから…キミのルームメイトも女の子なんだよ」
「先に言って下さいよ!!!」
「あっれー?もしかして転入生の?」

何事?と言いたげに、男みたいな緑色の短髪に、ブレザーを第2ボタンまで外した、一人の女子生徒。その豊かに成長した体と引き換えにサバサバとした性格の、俺の席の隣の子だった。

「あ…えと、ミカゲ、さん?」
「“さん”って…w普通にミカゲって呼べよー」

笑って歩み寄ってくる。
部活帰りなのだろう…額や首筋には溢れ出す汗が伝っていた。
「あちー」と言いながら、開いたブレザーを軽く持ち上げ、手を振って僅かな風を送っている。その際、チラリ、と胸が見えた。俺は慌てて目を逸らす。顔に熱が集中するのが分かった。暑い。

「それで?こんなとこでどしたん?」
「っ!!あ、えと…じ、実は…///」

俺はなるべく見ないようにそっぽを向きながら、事情を説明した。それを聞いて、ミカゲはこれでもか、というくらいに大爆笑した。目元に涙が浮かんでいる。

「な、何がおかしいんだよ!?」
「ごめん、ごめんwテイト…って言ったよな?いやーラッキーだったな〜堅物学級委員の意外な一面を目撃するなんてw」
「はぁ!?」
「丁度いいね。ミカゲちゃんもテイト君のルームメイトだし。一緒に行ってあげたら?」

ふふ、と笑いながら割り込んでくる。いや…この情況で何言ってんですか…;っていうかミカゲも同じなのかよっ!?;

「いいっすよー。ほら、行こうぜ!」
「っ、あ、ちょ…//」

グイッと腕を引かれる。本当に強引な奴だ。

俺達は直ぐに部屋に着いた。
俺が先程の一件があった為、入るのを躊躇っていると、ミカゲは何もなかったかのようにドアを開けた。

「たっだいまーっハクレン♪」
「みっ……ミカゲえええええっ!!!」
「うわっ!?」

入ると同時にハクレンが泣きつく。ミカゲも俺も驚いて立ち往生してしまった。暫く、その状態のまま、動けずにいると、ミカゲは俺にアイコンタクトで「困ったね」と訴えてきた。
とは言え、俺にはどうこう出来るはずもなく…

「ハクレン、ちょっと…落ち着けって」
「わ、私ぃ……///………!!?」

バチッ。
俺とハクレンは思い切り目が合った。軽く3秒くらいは。でも、直ぐに逸らされてしまう。

「なんで一緒に?」

挙げ句の果てにはミカゲの後ろに隠れて睨んでいる。相当嫌わてしまったようだ。
俺だって好きで見たかったわけじゃないんだけどな…

「えぇっ!?今日からこの部屋に!!?」

ミカゲが代わりに説明してくれた。どうやらハクレンも知らなかったらしい。立ち話もなんだから、と言ってミカゲに言われて中に通してもらった。女の子らしく、とても綺麗だった。

「私、嫌です…こんな…こんなっ……///」
「だからさっきのは不可抗力だって!!!////」

思い出したんだろう。___俺もだが____途端に真っ赤になる。

「不可抗力?不可抗力であんなマネを…!?」
「ワザとじゃないって!!」
「ハクレン。一応確認するけどさ…テイトにそんなこと、出来ると思う?女子みたいに可愛い顔してんのに」

女子みたいってなんだよ。
ツッコみたかったが、多分、助け船を出してるんだろう。黙って聞くことにした。

「…確かに、可愛い…けど…」
「ハクレンはコイツが男ってだけで判断してる!ハクレンの悪い癖だぞ?」
「う…だって……」

再び泣きそうになる。その顔が思わず可愛くて、胸の奥がキュン、と高鳴った。

「テイトなら…ハクレンのソレ、治せるかもよ?」
「ほんと…?」
「本当」

ソレとは何か、後々ミカゲに聞かされたが、ハクレンは小さい頃から父親にお見合いを進められ、その影響で男性恐怖症になったという。寮に来ても暫くは送られてきていたというからには納得がいく。

「ほら、仲直り」
「……ご、ごめんなさい…テイト、く…」
「テイトでいいよ。えっと…」
「っ…///ハクレン、でいい……//」
「ハクレン。本当にごめんなさい」

もう一度頭を深く下げるとハクレンは気が済んだのか、少し笑みをこぼした。

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後書き↓
文字数に限界がっ……;;
つ、続きは明日!