毎晩、決まって眠れずに叩くのは、フラウのいる司教部屋。
駄目だ、駄目だと体中で警報が鳴っている。
入れば終わり。一瞬で俺は堕とされる。
深い、深いベッドの上の闇へ…

「なんだ、今日も来たのか」
「あ、あぁ…迷惑、か…?」
「だと思うなら来るな。…俺は拒まねぇ…ましてや、テイト…お前が相手なら尚更な」

言うなり強引に腕を引かれる。強く抱き寄せられ、唇を奪われる。フラウのキスはいつも卑怯だ。乱暴なのに、甘くて…逃れようにも腰をしっかり掴まれれば、まるで鳥籠の中の鳥。逃げられない。

「ん、ふっ…ふらっ、ん…」

苦しくて、酸素を求めて口を開けば、温度のない、ヒンヤリとしたフラウの舌が潜り込んでくる。それは熱くなった俺の口内をじんわりと冷やした。
くちゅ…と唾液同士が絡む音が卑らしく耳を犯す。恥ずかしくて、呼吸も出来ない程に苦しくて。
俺は弱々しくフラウの厚い胸板を叩いた。
名残惜しそうに解放されると、身長差から飲み込みきれなかったフラウと俺の唾液が顎を伝って首筋へと落ちていく。
俺は何度も浅い呼吸をして、薄れそうな意識を必死に保った。

「はぁ…ふら、う…」
「テイト…俺を煽るな」
「え…ちょ…」

横抱きされ、ベッドに落とされる。
目を開けばフラウの顔越しに天井が見えた。押し倒されているんだ、と確信するのに何度も同じ経験をしてきた以上、そんなに時間は掛からなかった。

「っ…ひぅっ…」

フラウの冷たい舌が首筋を伝い、キスだけで主張を始めた、俺の乳首を舐める。
熱い体には冷たくて気持ち良い舌の温度。それだけでもう、俺は達してしまいそうになる。

「ぁ、あぁ…ふら、ぅ…」
「お前、乳首いじられんの好きだよな」
「そ、なこと…」

ないわけがない。でも、それは決して誰が相手でも、というわけじゃない。
フラウだから。フラウに触られている、そう考えると俺は女の子のような、甲高い声が上がってしまう。

「コッチも、もうビンビンじゃねーか」
「言う、なよ…フラウ…」

司教生が着る服もフラウの手にかかればあっという間に脱がされる。
もとより、ズボンとパンツは予め穿かずに来た為、脚を持ち上げられれば、自然と俺のペニスがフラウの眼前にさらけ出されるわけだが。

「一丁前に色気付きやがって…お前のケツ、ヒクヒクしてすげー欲しがってんぞ」

言いながら、俺のアナルに指を飲み込ませる。慣れた手つきで何本も挿入れれば縦横無尽、自由自在に動かされる。
その度に、俺から溢れる体液が、フラウの指に絡みつき、抜き差しを手助けした。
グチュグチュと粘着質な音が部屋中に響く。

「よく締めつけんな…」
「あ、んっ、ああっ…ソコ、もっと…グチャグチャにして、フラウっ…」

自分でも恥ずかしい。でも、それぐらいにフラウを求めている。冷たいフラウの指先で、何度も俺は精液を溢れだした。
次第に指だけじゃ足りなくて…俺は自分から腰を揺らした。

「ああんっ…ふら、う…も、ほしい、よぉっ…」
「っ、欲しいって何がだ?ちゃんと何シてほしいか言わねえと…」
「…んこ…フラウの…その、おっきなので俺を貫いてっ…」
「っ!…煽るなっつったろ?もう、泣いても許してやんねーから」

指を引き抜き、一気に猛るフラウのペニスが俺のアナルを突き刺す。その、あまりの圧力に背中をのけぞらせた。

「あ、ああっ!」
「っく…動かす、ぞ…」
「あ、ぁんっ…はぁ、んぁっ…」

激しく揺さぶって律動が行われる。前立腺をこすられる度に、快楽で頭が真っ白になりかけた。

「は、あっ…ふら、ぅ…」
「っく…テイト、テイト…」

耳障りのいい、低い声で何度も名前を呼ばれる。
途端にビクリ、と身が震えれば、ビュクッと射精した。自分の精液が腹にかかる。その余韻でアナルを締め付ければ、フラウが俺のナカに精液を注ぐのが、冷たい液体の感覚で伝わった。

「はぁ…んっ…」

ズル、とペニスが抜かれる。内壁をかすめる感覚にビクリと体を震わせた。
コポリ…と吐き出された精液がアナルからこぼれる。

「ん…フラウの、一杯…」
「っ…ばか、何度も言わせんな」
「んっ…フラウ…」

ちゅ、と触れるだけの甘いキス。
何時もそうだ。激しく体を重ねた後はこうやって優しいキスをくれる。
だから、毎日来ずにはいられなかった。

「もう寝ろ」
「ぁ、まって…ふらう…」

誓いの首輪がフラウの声に反応して、眠気を誘う。強引に意識を繋ぎ止め、フラウの腕にすがるようにしがみついた。

「フラウ…すきだよ…」
「あぁ…俺も…」

END
これが俺の究極