好春×優 (R-18)

ことの始まりは柏木の一言だった。
僕の後を付け回すようにするや否や、いきなり腕を掴んできたのだ。

「設楽にお願いがあるんだけど!!」
「嫌だ」
「まだ何も言ってないんだけど」

コイツの場合、たいていのことが例の柏木きらって幼なじみ関連だ。
きっと今回もそうなると見込んで断ったのだが。

「ちぃ姉のことじゃなくてさ…。設楽、筝が弾けるんでしょ?」
「…誰からそれを…?無神経女か…」
「ちぃ姉には聞かせたんでしょ?だったら僕にも聞かせてよ!」
「………」

アイツ…余計なことを…
僕の筝はそんなに他人に聞かせる為にあるんじゃない。
誰か…
大切で、ソイツの為に弾く、それが僕の筝なのに。

「ねぇ、ダメ?」
「っ…」

じっと上目遣いで見てくる。
悔しいけど、僕より少し背が高いのに、こんな時だけ自分より幼く見えた。
それが人間の母性本能というか…まぁ、男の僕にはないのだが…つい、強く断れなかったのだ。

「そのかわり、ちゃんと最後まで聞けよ?無神経女みたいに寝るなよ?」
「分かってるよ」

諦めて溜息をつくと、一人暮らしの、僕が住んでいるアパートへと歩を進めた。
ちょくちょく会話をしようと柏木が口を開くも、もとより相手が僕だからか、まともに長続きはするはずもなく。
柏木は遂に言った。

「設楽、もう少し返事とか考えられないの?」
「……」
「僕は、もう少し設楽と普通に話したいのに…」

頬を膨らませてそっぽを向く。
そう言われても、僕はずっとこの性格だったから、今更直せるはずもない。
柏木には悪いが、そこまで口下手な僕が嫌なら話し掛けないでほしいんだが…

「……着いたぞ」
「………うん」

ガチャリ、鍵を開けて扉を開く。
玄関で靴を脱ぐと、柏木を中に通した。
筝の準備をするからと適当に座らせ茶を出す。
柏木が落ち着いて一服したところで、口を開いた。

「設楽の家ってさ」
「…なんだ」
「ちぃ姉も言ってたけど、本当に殺風景なんだね」
「………ひ、必要最低限の物しか置かないだけだ」
「ふーん…」
「良いから黙ってろ。今聞かせてやるから」
「分かったよ、設楽」

以前、僕が仕えていた主水季様から頂いた筝爪を嵌め、筝と垂直に、背筋を伸ばして座った。
柏木が見ていることを視界の端に置き、筝を弾く。
途端に静寂な部屋に広がる無数の筝の調べ。
僕はこうしている時間が好きだった。
誰かに咎められたり、邪魔をされず、ただひたすら筝に没頭して孤独を思い知らされる。
けれど、そんなことでさえも心地良く感じられた。

「…………お粗末様でした」
「…………」

弾き終わり、軽く会釈する。
柏木がやけに静かで、まさか寝たか…と思って顔を見ると思わず心臓が高鳴った。

「柏木…?っ」
「素敵…綺麗だよ、設楽」

筝爪を外していると、天地が逆転した。
驚いて見上げると視界には柏木の真剣な顔と天井が映った。

「な、何してっ…」
「ごめんね、設楽…君があまりにも無防備で、その筝に優しい笑顔を見せたから、僕、思わず嫉妬しちゃったんだ」
「はぁ?何言って…ど、どけよ!!;;」
「ごめん、無理」
「っん」

口を塞ぐように僕の口に柏木のそれが重なる。
舌を強引に入れられれば、歯列をなぞられる。
擽ったさで身じろぐと、舌を絡め取られた。
熱い唾液が絡まり、くちゅくちゅと耳にまで音が届く。
そうしながらも、僕の下半身は熱を帯び始め、無意識に柏木に擦りつけていた。

「んっ…設楽の、当たってる」
「ふっぅんっ///」

舌に吸い付き、軽くリップ音をたてて離すと、透明な銀糸が僕の顎を伝って落ちた。
柏木は下半身へと移動すると、僕の男の象徴である精器を口に含んだ。

「んぁっ、ん、ぁんっ」

舌を巧みに使い、先端、裏、根元に絡み付く。
口をついて出る嬌声が恥ずかしくて、僕は柏木の髪を抱き寄せた。

「……したら」
「…ふぅ、んっ」
「ぼくのも、シて?」
「…………っ」

口を離し、一度体を起こすと、柏木は自ら下着を下ろし、僕の上に覆いかぶさった。
精器を僕の口に押し付けるように。
所謂、シックスナインというやつだ。
恐る恐る口を開き、硬くなった柏木のを咥内へと招くと、歯を立てないように必死に愛撫した。
感じたのか、大きく身震いすると、僕の口に白濁した液体を吐いた。

「んっぅっんっ」
「……偉いね、設楽。設楽もそろそろ我慢の限界でしょ?」

少しでも多く飲み下していると、柏木が僕の先端を舌先で開くようにつっついた。
途端に訪れる快楽に、僕は柏木へと射精した。

「ぁ…あ………」
「さて、次はっと…」

柏木は胡座をかぐように座ると、再び勃起し始めた柏木の精器を僕に入れようと僕を座らせた。
慣らされていない泌部に侵入する精器は、とても大きな異物のような気さえする。

「……はぁはぁ…」
「ぜんぶ、はいった…」

息苦しくて柏木にしがみつくと、柏木は笑顔で言った。

「自分で、動ける?」
「っ////」

真っ赤になって言葉を失う。
そんなこと言われても、僕は入れられただけで力も入らないのに、自ら動こうなどと無理に決まっている。
僕は慌てて首を振ろうとするが、柏木が僕の体を抱え上げているのに目を疑った。
微かに擦れる感覚が自分の理性を切る。
気が付けば、自分の意思で上下運動を始めていた。

「設楽のナカ…熱いね…」
「ぁっ…はぁ、あっ…」
「……設楽…」

触れる唇。
こんなこと、本当はしてはいけないのに。
自分がしてしまった罪を棚に上げて、こんな…
いつ一族の者や、あの無神経女が来るか分からない、そんなこの部屋で………

「設楽」
「あっぁあっ」

押し倒され、激しく柏木が律動を始める。
その度に白濁液の水音が部屋に響いた。

「ぅんっあっあぁんっん、あ、」

途切れ途切れに甲高い声が漏れる。
僕は押し寄せる快楽の絶頂に、遂に達した。
快楽の余韻で後ろが締め付けられ、柏木も僕のナカへと出した。
熱い柏木の精液が、僕のナカを満たす。
その感覚に僕は意識を手放した。

―――――

僕達が目を覚ましたのは、翌日の午前中で。
すっかり登校時間が過ぎてしまい、僕達はサボることになってしまった。

「……設楽」
「んっ…」

風邪を引くからと、柏木が僕の部屋に布団を敷き、二人揃って横たわる。
柏木は僕の名前を呼ぶと、抱きしめるように腕を伸ばし僕を包み込んだ。

「柏木」
「何?」
「…………当たってる///」
「設楽が可愛いからね、また起ったのかも」
「っ//////おまえっ」
「でも、今はこうしてるだけで十分だよ」
「…………」
「激しくヤりすぎちゃったしね」
「!!!!/////」

さっきまでの情事が脳裏を過ぎり、僕は気を紛らわすようにギュッと柏木の腕の中で目を閉じた。

「……もう、筝は弾いてやらん」
「えー?」

―――――END

――――――――――――――

好×優 第2弾!!///

今回は甘さを目指して書いてみました!

いかがでしたか……?

甘くなってると良いんですが………

結局は裏かよっ!!

っていうツッコミはなしにして下さi(ry

三条はそういう生物なんだと解釈して下さい(え

それでは、また(^◇^)/