魔法少女(?)ミカハク★LS

魔法少女パロ*1
「………ん?」

元に戻す為に大魔王アヤナミを倒す旅に出た矢先、路上で倒れた少女を介抱している金髪の青年に目が行く。

『どうした?』
「……あ、あの…」
「!!……何だ?」

青年はハクレンに気付くと、澄んだ碧い瞳を向けた。

「その子…どうかしたんですか…?」
「ん?あぁ…ちょっと転んだだけだ。ほら、いつまで寝てるんだ、起きろ」
「…ぅ………誰に指図してんのよ」
「…お前…ティアナか?」
「……ふんっさっさと肩車しなさいよ、馬鹿フラウ」

ティアナと呼ばれた少女は、フラウと呼んだ青年の襟を掴んで肩車しろと急かした。
フラウは渋々ティアナを肩車すると、改めてハクレンを見下ろす。

「……」
「…?あの…」
「お前、体ん中に別の人格が入ってないか?」
「…えっ」

ハクレンの華奢な肩を掴んで見詰める。
対するハクレンは驚いて見開いた。

「実はティアナもそうなんだ」
「余計なこと言ってんじゃないわよ」

華奢な体つきに、流れるような黒髪。
そして、人間と全く異なった、黒く細い尻尾の先が黒いハートの形をしている。
ゆらゆらとその尻尾を揺らしながら、フラウとハクレンをキッと睨むように見下ろした。

「…フラウ、早く帰るわよ」
「…はいはい…話しは後だ。お前達も来い」

歩きながら、フラウはハクレンの話しを聞いた。
ハクレンは、敵対するアヤナミと戦う為に、ミカゲとのキスで一心同体の女の子の体になってしまった。
その時は、アヤナミにまんまと逃げ切られ、元に戻ろうと試みるも、方法がただ一つ、アヤナミを倒すこと以外なかったという。
その為、ハクレンは一人、自分の体を元に戻す為に旅に出ていたという。

「………そうか」
「…ふーん…じゃぁ、アンタ。本当は男なんだ?」
「あぁ…」

ふーん…
ティアナは何を思ったか、ハクレンの体を舐めるように眺め、やがて口角を上げた。

「帰ったら、シャワー浴びるわよ、ハクレン」
「…は?」
「どうせ、女体を意識して自分じゃ洗えないんでしょ?私が洗ってあげるわ」
「なっ///ひ、必要ない!!」
「恥ずかしがる必要ないわ。私と貴方は同じ女の子♪私に任せなさい」
「ふ、ふざけるな!!////」

ティアナはそれ以上聞く耳も持たず、楽しそうに尻尾を揺らした。
ハクレンはわなわなと肩を震わせながら、フラウの隣を歩く。
フラウはハクレンの頭を撫でた。

「悪いな…ティアナはこんな性格なんだ…」
「うぅ…オレ、男なのに…」

並んで歩くこと30分。
ハクレンの視界には大きな城が飛び込んだ。
まさか…
ハクレンが息を飲むと、フラウは何食わぬ顔で、城門を門番に開けるよう促している。
城門が開き、フラウが先々に中を進んで行く。
慌ててハクレンもその背中を追った。

「帰ったぜ、国王」
「あぁ…フラウ、随分と早かったな…ティアシェはどうした?」

玉座の前まで来ると、大きな玉座に腰掛け、背を向けていた体がこちらを振り返る。
風に靡くような、黒髪から綺麗な瞳が顔を出す。
フラウはその前に、恭しく方膝を付き、肩車をしていたティアナを降ろした。

「ただいま、お父様」
「…!……ティアナ、か…」
「あからさまに残念そうな顔しないでくれる?」

国王…クロムはティアナの父親だった。
ティアナはそんな国王の前でさえも、高飛車な態度で話している。

「帰って早速だけど…こっちの人の話はフラウから聞いておいて。私はその人とシャワー浴びてくるから」
「そ、その話は本当だったのか!?///;;」
「当然。行くわよ」

ハクレンの手を取り、スタスタとその場を後にする。
二人が居なくなった後、フラウはクロム国王にハクレンの話をした。

「……ティアシェと同じようなケースか…」
「あぁ…」
「彼も苦労してるだろう…フラウ、彼に協力してやってくれないか?」
「分かってる。ハクレン達が元に戻る頃、きっとティアシェも元に戻るだろうしな…」

クロム国王の言葉に深く頷く。
クロム国王は小さい声でティアシェ…と呟いた。

――――――――

「ほら、ハクレン。いい加減往生際が悪いわよ」
「いっ…だから自分で洗える!!////」
「ほらっ恥ずかしがらないの!!」

グイッとハクレンの腕を組む。
途端にティアナの白い肌が触れ合う。

「っん…」
「ハクレン、案外綺麗な体してるのね…」
「こ、この姿で言われても嬉しくないぞっ///」

ティアナがハクレンの体を洗おうと、泡立てたスポンジをハクレンの背中に当てた。

「あっ」
「ぇ…?っひあっ////」

ズルッと滑った衝撃でハクレンの胸に手が這う。
ハクレンは驚いて甲高い声を漏らした。

「ハクレン…アンタ、敏感なのね」
「なっななっ…/////」
「ふふっ…面白いわ…」
「ちょっやぁっやめっぁあっ////」

ハクレンの体をまさぐるように触り、ティアナが楽しそうに笑む。
ハクレンは敏感なトコロを執拗に攻められ、何度も声を出していた。

「やっめろっ!!///」
「ぁんっ」

グイッとハクレンが怒って尻尾を掴むと、ティアナも声を上げた。

「や、やったわね……!!///」
「そっちからだろ!//;;」

襲い襲われの攻防の繰り返しの末、疲れ果てたハクレンが先に浴室を出た。

―――――――

フラウ達の所に、着替えて戻ると暫くして流れるような栗色の髪が姿を現す。

「父様…フラウ…」
「ティアナ…さっきはよくも…っ?」

そこにはティアナと打って変わった、栗色に短髪の少年が立っていた。

「あの…すみません…」
「お前…ティアシェ…?」
「うん…そうだよ、フラウ…」

フラウに名前を呼ばれ、嬉しそうにへにゃ…と笑う。
ティアナによく似た少年。
彼は、ハクレンを見上げると、自分とティアナのことを淡々と話し始めた。

ここ、ラグス王国の王子と王女は10年程前に付き人の失態で事故に遭った。
お忍びで街に出た帰り、付き人が運転していたホークザイルが炎上し、崖に落下したという。
事故を聞き付けた国王夫妻が崖下へ下りると、奇跡的に小さかったティアシェだけは虫の息の状態で生きていた。
急いで医者に見てもらった結果、なんとか息を吹き返し、一命を取り留めた。
それから、約2ヶ月、寝たきりの状態で過ごしていたある日、ティアシェの様子の異変に国王が気付いたのだ。
短髪だった栗色の髪が、あろうことか黒髪に長髪になっていたのだ。
国王を見詰める眼光は鋭く、射ぬかれるようだったという。

「……ティアナの覚醒だった…」

死んだはずの双子の姉が、ティアシェの躯を使って姿を現したのだ。
それから度々現れて好き勝手やってはティアシェに戻るという気まぐれに付き合わされる羽目になったとか…

「そんなことが…」
「っ…ごめん、なさい…さっきはティアナが…」
「え…?っあ……!!///////」

かぁぁぁ…
さっきのシャワーでの出来事を思い出してハクレンは赤くなる。
釣られてティアシェも真っ赤になった。

「ティアシェ…?」
「っ…フラウ…あの、その…////」
「てぃ、ティアシェは悪くないぞっ…悪いのはティアナだからっ////」
「ハクレン、さん…///」
「敬語なんて水臭い///」
「す、すみません…」

しょんぼりとティアシェは肩を落とす。
フラウはいまひとつ状況が掴めず、とりあえず…とティアシェの肩を抱いた。

「良かった…ティアシェに戻ってくれて」
「フラウっ…///」

フラウの真剣な瞳にティアシェは恥ずかしそうに目を伏せる。
いつティアナになるか分からない為、フラウはティアシェといる一分一秒を大切に過ごしていた。

「そういえば…ティアシェとフラウさんはどういった関係なんですか?」
「ん?あぁ…それは…」
「フラウはティアシェの教育係であり、恋仲だ」
「クロム国王…」

ハクレンの問い掛けにはフラウの代わりにクロム国王が答える。
クロム国王の答えに、ティアシェは真っ赤になった。

「恋仲…ですが、一応同性、ですよね…?」
「愛があれば性別なんか関係ないものだぞ?」
「は、はぁ…」

呆れたようにハクレンが溜息をつく。
ティアシェはフラウの一言一言に恥ずかしいのか、俯いて口を接ぐんだ。
そんなティアシェが可愛くて、フラウは優しく抱き寄せる。

「ごめんな、ティアシェ…」
「ぅ、うう、ん…//」
「可愛いですね、ティアナとは大違いだ」
「は、ハクレンまでっ…//」

うー…
と小さく呻く。
その顔はうっすらと涙が浮かび、頬を朱に染め、本当に女の子のようだった。

「ティアシェとティアナは本当に性別を疑うよな…」
「本当に…ティアシェが女の子だったら良かったんだが…」
「と、父様まで…」
「ティアナは黙ってれば可愛いのに…」

はぁ…
クロム国王が深く溜息を吐いた。
ティアシェは内心複雑だ。
実の父親や恋人に愛されているのはとても嬉しいこと。
されど、自分の中にいるティアナの存在を思うとどこか満たされない、罪悪感があった。

――――――――――――――

すみません、いきなりですが続きます;;;

――

ここまで閲覧ありがとうございます。
この話は以前、蘭ちゃんと学校の帰り教室で話していて思い付いた、魔法少女(少年?)ミカハクレン(笑)の話が元になってます。
ティアナはフィクションです。
双子にしたいなーってことで。
かなり態度悪いんでミカエル様じゃ嫌だなって…
それで全くの別人格を。
ティアナはかなりのお嬢様気質で偉そうです…
蘭ちゃんもティアシェが良いって言ってるくらいなので。
今度イメ画をうpしようと思ってたり…
あと途中からミカゲがログアウトしてます…
すみません;;;
ミカゲはこれからちゃんと出ます!!
……一心同体なんで。
それでは、これから宜しくお願いしますm(._.)m

*1:← フィクションです 三条の思い付きです テイト→二重人格(方やにょた) ミカゲとハクレンもフュージョン☆(!?)してにょたです ………Are You Leady? ――――――― 「邪悪な大魔王アヤナミを倒す為っ今日も元気に魔法少女やってます☆」 『………ミカゲ…』 ひょんなことからハクレンは、幼なじみのミカゲと超絶合体(!?)した為、見た目はほぼハクレンの体でありながら、誰が見ても目で追ってしまう程の女子高生の容姿になっていた。 「何よーハクレン?」 『あくまでオレの体だ。基本的にはお前は喋るな!』 「ちぇー」 ミカゲはハクレンに注意され、体をハクレンに明け渡す。 体を明け渡されたハクレンは、未だに慣れない自分の体を見てはほのかに頬を朱に染めた。 『やっぱり気になるよなー女体☆』 「っ…//オレはお前と違ってそんなことにムラムラしたりしない」 『えー(-ε-